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底辺部の仕上げ

底辺部の仕上げ
  • フライスで仕上げた端面など全くアテになりません。手仕上げで100分台まで仕上げます。ここで一番難しいのは、精度の出たこの仕事ができる大きさの「定盤」の維持、保守点検の方だったりします

名称 底辺部の仕上げ

2017年9月4日(月曜日)

 

底辺部分を仕上げます。本来なら完全に完成してから仕上げるのですが、「クランプして沈める」ことによりベッドに密着させるので、これで充分。おつりがくるので先に仕上げます

もう少し大変な思いをして、完全に完成してから仕上げてもOKですが、苦労する割に「その苦労」が無意味になるので、先に仕上げます

そもそもこのように溶接で組み合わせた部品にいくら、精度を出しても(それでも100分台は出そうぜ)完成時は完ぺきでも、溶接した冶具は時間経過でどんどん鉄は歪んできます。さらに(溶接していなくても)ただの鋼ですので普通に変形します(温度が1度上がると0.01ミリ以上膨張します)

ですから、ベッドは鋼の組み合わせではなく、鋳物を使用するのですが、当業界では、そこまで厳しい精度は必要されません(もちろん制作時し精度はきちんと出します)

刃物台等が移動する摺動面ではないのでテコ台は底部精度がきちんと出ていれば、その後100分台で歪んでも問題ありません。これが旋盤やフライスだったら、まっすぐ削れなくなって(勾配が付いてしまう)NGです(中国製旋盤などで有名な話)1ミリ位底部が狂っていても使用可ですが、クランプ時「バカ締め」しなければならないことと、ベッドが擦られることにより、異様にベッド表面が消耗し機械の寿命を著しく早めるのです(偉い人には・・・いや、判らん人にはそれが判らんのです)で、判らない人は、機械を使用しているときも、テコ台の位置変更をするときに摺動面のキリコや細かいチリ、サンドペーパーのカスなど完璧に拭い去ってそれから給油し(そこまでして初めて)摺動面を滑らせる。と言う発想(根性)がないので、ベッドがズタズタです(ウチの工場の事なんですけれども)

ハッキリいってこの一連の動作(清掃して摺動面を滑らせる)非常に面倒くさいのですが、新人の従業員(無限の可能性を秘めた若者に)まず、その辺の、「与えられた機械を大切に使用する」という指導を将官連中が辛抱強く指導するところから始まるわけです

これをしないと、測定器具の保持(定盤、ノギス、ダイヤルゲージ)の寿命も精度も落ちますし全体的に(低レベルと言われる 大変不名誉なこと)しっかりとした根性が染みつけば、自然にへら絞り加工の方も、丁寧な仕事をする人間になるように指導することが容易に(自然に)なるという寸法です。日本では・・・。

まず、サブ画像のように手仕上げで100分台の精度を出します。フライスで出した端面の精度などテコ台底部に適用される許容範囲から大きく外れます。さらに昔は、「磨きの角棒」を2本溶接で張り合わせただけで「仕上がり」などと言う「どうしようもないテコ台」が乱造されていて(その時に、生まれていて勝負してみたかったなぁ~~などと思う。割と真剣に)要するに「底部が平らではない」のでベッドと密着しないので、クランプするときにいくら、バカ締めしても(密着しないので)テコ台が「へら絞り加工」で受ける圧力に耐えられず動いてしまうのです。

大正、昭和初期~40年代までは照明器具専門以外でも、たいして力のかからない容易な加工しか(殆ど)しないので、そんなヤクザなテコ台でもおつりが来てしまったわけです(ベッドは痛みます)さらに、主軸の方にも単独変速機などついていないことも多くベルト掛けで複数の機械を回す。誰かが力を余計にかけると、他の機械の回転速度まで落ちてしまうような状況だったので(当時大きなへら絞り工場でさえ)現在のようなテコ台でなく中学生が作ったような、工作テコ台でも無問題だったのです

 

国内のことは知りませんが、「露人の国」にいたときは、そのことを露人は理解していないらしく、テコ台の左右どちらかにシンバリをして逆側にレバーブロックで張力をつけてごまかしていました。もちろん機械(ベッド)の寿命はマヌケでない底部仕様よりは著しく早く尽きます(日本はこんな国に戦争に負けちゃったんだよ)しかも画像の方式は「底部がUの字形状 私の居た露人の会社は、底部がO字形状なので、(もしも精度を出していないで組み込まれていたら)さらに始末が悪い

まぁ、若者が会社に来たり来なかったり、世話になっている分際で、無断欠勤、置き引き、ナメたこと、やりたい放題。日本の民間(民間以外でも)ならば、もう次の日から出勤しても自分の席はなくなっているような状況でも、それがまかり通ってしまうような国なのでいろいろとツッコミ所満載でしたが・・

ダブルスタンダードも激しく、露人の上層部にかなり気を悪くしていたので、普通に仕事をしていても、旋盤チリ切作業を任されているときなど2時間ほど仕事をした後、30秒ほど機械に掴まって体を伸ばしたり等々、皆が見ている中で堂々とストレッチをしたり(運動部なら当たり前の動作。でもでも、露人の将官からすると、「サボっていやがる!」ということで、見えないところでやらなければならない暗黙の掟がありました)その他いろいろとやったりしたのでチリ切(のみの)旋盤は降ろされましたが・・・あと、工場の中を走って移動すると感覚のズレた将官の方々に「なかなか、感心な若者!!ロシア連邦の将来も明るい!!!」とか簡単に騙せるチョロイ職場でしたが、「駆け足!!」とか怒鳴られるまで絶対に駆け足で移動しなかったりとか・・(←この人,何と戦かっているの?)

あと、これは関係ありませんが、実家の工場に帰ってきたときの社内の装備は、今以上に酷いもので(見れたものではない)改革が間に合わず数年間、集塵装置なしのグラインダーでバイト研削をすることになるのですが、素潜りのように。息を止めて研削。息が尽きると5メートルくらい下がって、息継ぎ~呼吸を整え、再度研削。この一連の動作を2~3回繰り返して「バイト研削」をしていましたが、露人もアメリカと違い、昔の日本軍のように「搭乗員の生命は消耗品」と言う見地から潤沢な予算がある中でも「集塵装置」は搭載されていませんでした(以前は照明装置がないことに触れましたよね)

で、私は、(以前、軽いボディータッチ位なら笑顔で返せたサ・・とか、多少の、いや、かなりの理不尽にも合わせることが(協調性)できるサ)・・と説明させていただきましたが、この手の理不尽に合わせる素直さはなかったので(洗脳できない人間は抹殺対象リストに載るのが現在の日本社会)実家では、素潜りの要領で何度もグラインダーについたり離れたりしていましたが(実家と違い、露人に見つかったら遊んでいるとみなされるので   人命=紙屑同然)息が持たなくなると(人目があるときは)作業を終了し、3か所ある別のグラインダーに移動して粉塵対策をしていました。

 

お爺さん(と言ってもごく一部のお爺さんであり、お爺さんすべてではない)が一人でやっているような3坪工場のように、何故か一台しか用意していないグラインダーに赤砥と青砥を左右に(何故か)つけていたので(普通、お金持ちはは左右両方、青なら青、赤なら赤。そしてもう一台は荒研ぎ用の石 この3台が一か所に連立)右っ刃を研ぎに行くときはA地点のグラインダー。左ッ刃ならC地点に設置のグラインダーと(さらに超硬とハイスで逆の思考をしなければならない)私の場合に限って、発狂してしまう砥石の配置。グラインダーの配列だったのですが、逆にその無理解な配置が(粉塵対策の併用で)苦にならなかった。意外な結末に至ります

もう忘れましたが、つげ義春のマンガで「メッキ屋は肺をやられる」というくだりで始まる文学チックな短編漫画がありましたが、もうロシアでも安全対策施されていることでしょう

アメリカの冗談で感心しないギャグ(?)で首級を上げるとするならば、この一連の流れで繋ぐとすると

この粉塵被害の現状を将官に訴える気持ちなどサラサラなかったものの(そんなことしたら何されるかわからないので)一応、実際にグラインダー作業行う下士官連中には、世間話の流れのなかで、やんわり訴えてみたものの、みな鼻で笑い。私のことを「神経質で大げさな女のような奴」的な嘲笑の目で見てバカにします。

(で、何故こんな話するのか?と言いますと)アメリカのトーク、お笑いですと、この説明をした一連の流れの後・・・そこから繋げる言葉が)「で、ソイツラ今どうなったと思う???●●●●●●●よ!」・・・と繋がるパターンが多いのです。日本でしたら、まずありえません。

アメリカのお笑いを持って国民性の違いを例えましたが、露人も日本の国民性とは違う・・・もしかしら(これは仮定ですが)そういった人物が同じ民族内で仕事をしていても埋もれてしまう場合があったとしても、日本の社会に入ってロシア(どこの国でも良い)式の商売をすると、日本人がやらないような発想で、大成功を収める例もありうるのではないか‥・と、最近常々思うようになりました

それから、単に私の勉強不足かもしれませんが、木工を切削する現場では(等業界も昔は安くあげる目的や、単に金型製作技術が無い故に木型を沢山切削していた時期がありましたが)木工粉塵で当業界のような粉塵被害の話はあまり聞いたことがありません。木くずの粉塵は天然由来の成分なので肺に入っても分解して排出することができるという事なのでしょうか??(謎

 

また、話がズレましたが(恨み節)戻って、サブ画像1で片方の端っこの方が一部低くなっているのですが、どうでも良い部分なので、あえて0.1ミリフライスで低くしてあります。メイン画像でも明らかに色が違うので低くなっていることが判ると思います

なぜ、このようにしたか?

これは、外部から当業界にささやかれる「大きな勘違い」について説明するために0.1ミリ低くしてみました

へら絞り加工の精度で10分の1を求められると非常にきついものがあります。(大抵、へら絞り加工後、研削して仕上げます)これを誤解している方が多くて、図面の要求精度が「明らかに不可能」な場合が、多々あるのです。

その辺の話は、長くなるので割愛させていただきますが。10分の1ミリ(画像の段)でもかなり低くなるのですが、手仕上げですと、私のような「知ったかぶりのハンパモノ」でも画像の底部を簡単に100分の台(画像のは100分の1~3ミリ)まで簡単に出せてしまいます

しかし「へら絞り加工」で100分台の精度を出すのは人間業ではなく神業です。(人間業=  王貞治選手や中野浩一選手の偉業などなど   神業= 神様でないと無理)

私の師匠とか兵頭さんのセリフで「オレは嘘つくヤツと言ってることとやっていることが違うヤツは大嫌いなんだ」というのがあるのですが、とにかく100分台はへら絞り加工では無理です(茶筒の本体と蓋のはめあい精度は100分台ではありません もっと緩いのです)

旋盤でもシャフト加工などの依頼が来るとベアリングなどが入る位置など「H公差」があります。公差から外れると「フレッチング摩耗」が生じます。一個~数個物でしたら、旋盤で100分台を出しますが、かなり慎重に作業を進めないと、簡単に0.01ミリマイナスしてしまいます(これを俗にオシャカと言います)シャフトは1000ミリ位長さがありますので、最後の仕上げでリミットから外れると(オシャカ)もう・・・目の前が真っ暗になります。(つーか普通そういう部分は研削にまわさないか???と本当は思っている。「ムチャぶり」じゃね??)

それに比べて、この底部の加工は根気はいりますが、旋盤での切削加工のような、命ギリギリ感の緊張はありません。くどいようですが「へら絞り加工」では100分台など出ません。神様以外は・・・・

どのくらい難しいかと言うと神様なら目をつぶって「紙に鉛筆で直線を5メートル書いて左右のズレ±0.01」

これを「やれ!」と言えばできますが、人間に「目を開けていて良い」「5メートルでなく1メートルで良い」「左右のズレ±0.01は厳しいので50倍の±0.5のズレ以内に入っていればよい」

随分、甘いリミットにはなりましたが、この直線皆さん、引けますか??無理ですよね・・・・そう、無理なのです。

 

で、本題に戻って、サブ画像の状態で、もう完全に使用できるのですが、ベッドとの密着度が高まるとベッドと加工した底部(ここを摺動面といいます)の摩耗が激しくなりますので、どこの国でも常識的に考えて潤滑油の「液だまり」を作ります

私は素人なので機械の作り方の知識などありませんので、試行錯誤。

~♪あらゆる選択肢が、現れて消えて私、「きさげ」っちゃう!・・・・という事で、きさげ加工をします

まず、高いところを(ちょっと違いますが)そぎ落とす。  これでかなり(さらなる)精度が上がります。で、高いところがなくなると、中間的なでっぱりが、現れてきます。今度はそこを責めます。

で、プロの方のお仕事ですと、そこからさらに精度を出してものすごい精密なマザー器具のさらなるマザー平面を出したりとかするのでしょが(私のような素人には無理。つーか、この仕事自体プロが見たら素人臭丸出しで笑ってしまうでしょう)私の場合は、これにて終了。

あとは全体的に奇麗に見えるように「液溜まり」を作っておしまいです。

精度100分台ならず1000分台。さらに平面の面積が畳で1畳とか2畳とか・・・そういう平面を出したりするお仕事は数人がかりでやっている番組を見たことがありますが、我々素人(と言っても、一応機械屋の端くれ)の視点でTV視聴すると、工業界以外に所属の人と違って、大面積の加工に使うゲージの保守ってどのくらい気を使っているのだろうか?? 大変じゃのう・・・等々アサッテの事を考えるのです ハイ。

素人に一番きつい条件は、定盤は3枚無いと、公正(っていうのかな??)できないので、外注に出さなければならなくなると思うのですが、小さな定盤ならともかく・・・(以下省略)

 

またまた、脱線しましたがメイン画像で低い部分(キサゲされていない部分)が確認できますよね。ここが0.1ミリ低くなっているワケです。

手仕上げの感覚ですと0.1ミリとはずいぶん「おおきな段」になるわけですが(そらーフライスの端面などアテにできないワケだ)へら絞り加工で0.1の誤差。つまり(例えば外径450φ リミット±0.05)とか言われると、うなってしまうのです。(茶筒レヴェルののはめ合い公差の絞り加工、コンスタンスに100個。切削なしでヤレ!等々)

へら絞り加工のみで精度100分台など、やる前から言える・・・・「絶対無理!」(言ってよいのは4月1日だけ  エープリールフールの起源は新年の始まりを1月に合わせようとしない、4月を年始とする異教徒をディスるために作られたお祭りだとか聞いたことがあるのですが、どうだか・・・)

 

追記で、この底部の精度をキサゲで出していると、上が「ケシャゲ(笑)などしたらクランプしても本体が滑ってしまうので、磨きの棒を2本溶接しただけでいいんだ!!」とか無理解な言葉を私にかけます。

我慢しつつも、かなりイライラするのは勿論ですが、そのときに、以前TVで、エコロジー(リサイクル)見地で「自動車を廃車にするときに「鉄」「プラスチック」等を分別しやすい設計にする」というメーカー側の説明に対して「走行中に自動車が分解してしまい大事故につながるのでは?」と発言していたコメンテーターを思い出す。

・・・もう、毎日が、そんな日々(笑

今回のオモシロ話は「方言」

厳密に言うと方言ではありませんが(話半分に聞いてください)ロシアでも日本製の「ストラパック」(登録商標)を使用しているのですが、どこでどう誤って伝わっていたのか(おそらく私がいた工場限定で)「荷締め機」と呼んでいました。

皆さんご存知のように日本で「荷締め機」といって連想するのは「ラッシングベルト」あるいは、許容範囲内で「レバーブロック」などを指すのが常識の範疇ですが「荷締め機」と言っていました。それだけでもかなり、ややこしいのに露人なので発音も「ニシメキ」

初めて聞いたときは(ニシメキの上にある道具取ってこい 等々)何を(ストラパック)指しているのかわからず、発音から「えっ?えっえ?? ニシメキ艦上重爆撃機瑞龍32型丙みたいな???メーカーの名前???」(イントネーションはミツビシと同じ発音で)などと混乱してしまいました。

日本語でボッチ(意味: 小さな点 突起物)という言葉がありますが、まんまボッチORボッジと言うジグがあります。向こうでは「ボタン」

ボタンですと中国語で言う「信(手紙)と手紙(トイレットペーパー)」くらい意味合いが外れてしまいます

 

郷に入れば郷に従えという事です

「師匠」とは、主も師匠も持たないで育った佐藤が、妄想で作り出した、自己流ではなく、きちんと一人前になれるように仕込んでくれた「理想の親方」 実在しない。彼にしか見えない

「兵頭さん」とは架空の人物で「兵頭晋作」という。露人には理解できない職人気質を持っている(たしかに兵頭さんのような気質ですと露人のNo1 名勝城山監督の人のように儲けることはできない これも事実。私は好きだけど)

 

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